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水素水は効果なし?本当のトコロ

活性酸素を取り除くはたらきがあるとされる水素水。しかしその効果については、「飲んでも何も変わらなかった」「そもそも科学的な根拠がない」といったギモンの声も少なからず上がっています。本当のところはどうなのでしょうか。

国民生活センターによる調査の目的と背景

昨今、様々な健康効果が期待できるとして広く話題の水素水。今や様々なメーカーから、数多くの水素水関連商品が発売されるにいたっています。

これら話題の水素水に、実際に何らかの健康効果があるかどうかは別として、一部メーカーからは水素溶存濃度の明記がない商品も発売されていました。また、水素溶存濃度の明記がある商品であっても、実際に消費者が飲用する際の濃度については、ほとんどの場合、不明でした。このような商品背景の中、全国消費生活情報ネットワークシステムには水素水に関する相談が年々増加。独立行政法人国民生活センターにも、実際に商品に水素が含有されているかどうかを調査して欲しいとの依頼が入りました。

こうした状況を踏まえ、同センターでは容器入り水素水10銘柄、および水素生成器9銘柄を選定。各商品の水素溶存濃度を調査するにいたりました。以下では、この調査について、その背景から結果まで詳しく説明します。

【参照】独立行政法人国民生活センター公式HPより※2016年12月15日:公表「容器入り及び生成器で作る、飲む「水素水」-「水素水」には公的な定義等はなく、溶存水素濃度は様々です-」:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20161215_2.html

水素水の効果についての国民生活センターの見解

平成28年12月15日、国民生活センターは水素水の効果について、報道発表資料にて「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所」の見解を紹介しています。紹介されている同研究所の見解については、以下の通りになります。

医薬基盤・健康・栄養研究所の水素水に対する見解(概略)

  • 様々な健康効果が謳われている水素水について、ヒトを対象とする有用性において信頼できる十分なデータが見当たらない。
  • 現時点における水素水のヒトへの効果の検討については、すでに疾病を持つ患者を対象としたもの。その検討が、健康人にもそのまま当てはまるとは言えない。
  • 水素は腸内細菌によって体内でも生産されている。飲用した水素水に何らかの効果があると謳う場合、体内で自然に生産された水素の量についても勘案すべきである。

なお、医薬基盤・健康・栄養研究所による上記の見解について、国民生活センターの報道資料では「紹介」に留める形式を採っています。しかし、資料の文脈上、同見解は国民生活センターが支持する見解と考えるのが妥当でしょう。

開封直後・生成直後の溶存水素濃度

国民生活センターは、容器入り水素水、および生成器で作り出した水素水について、開封時すなわち「飲む直前」の水素溶存濃度を分析し、パッケージや説明書に記載されている同濃度との差異を調査しました。調査対象となった水素水は合計19銘柄。調査結果は次の通りになりました。

容器入り水素水

※以下の容器はそれぞれ①~⑥はアルミパウチ、⑦、⑧はアルミボトル、⑨、⑩はペットボトル

  • ①ナノ水素水キヨラビ
    →表示されている濃度の範囲に、開封時の濃度は収まっている
  • ②高濃度ナノ水素水スパシア
    →表示されている「充填 時・出荷時の濃度」よりも、開封時の濃度のほうが若干低い
  • ③活・活 水素水
    →表示されている「充填時・出荷時の濃度」よりも、開封時の濃度のほうが著しく低い
  • ④ハイドリックアクア
    →表示されている「充填時・出荷時の濃度」よりも、開封時の濃度のほうが著しく低い
  • ⑤水素たっぷりのおいしい水
    →表示されている濃度の範囲に、開封時の濃度は収まっている
  • ⑥ナノバブル水素水
    →表示されている「充填時・出荷時の濃度」よりも、開封時の濃度のほうが著しく低い
  • ⑦水素水H2
    →表示されている濃度の範囲に、開封時の濃度は収まっている
  • ⑧カラダの中からキレイに水素水
    →濃度の表示がないものの、開封時に若干の水素を検出
  • ⑨逃げない水素水36
    →濃度の表示がなく、かつ開封時に水素は検出されず
  • ⑩日田天領水
    →濃度の表示がなく、かつ開封時に水素は検出されず

生成器による水素水

  • ⑪水素水生成器H3Oスティック
    →表示されている濃度よりも、生成直後の濃度のほうが低い
  • ⑫Anyti-H2
    →濃度の表示がなく、かつ生成直後に水素は微量しか検出されず
  • ⑬充電式携帯型水素水生成器ジームス・シルキー HWP-33SL
    →条件によって濃度が変化するという断りがあり、かつ検査時には表示されている濃度よりも、生成直後の濃度のほうが低い
  • ⑭充電式高濃度水素水生成器MyShintousuiBottle-Q
    →条件によって濃度が変化するという断りがあり、かつ検査時には表示されている濃度よりも、生成直後の濃度のほうが低い
  • ⑮ケータイ水素水ボトルPocket
    →条件によって濃度が変化するという断りがあるが、表示されている濃度と生成直後の濃度はほぼ同程度
  • ⑯水素水浄水器 GAURAmini
    →濃度の表示はないが、生成直後に一定レベルの水素を検出
  • ⑰高濃度水素水生成器ルルド
    →表示されている濃度の範囲に、生成直後の濃度は収まっている
  • ⑱連続生成型電解水素水整水器TRIM ION HYPER
    →表示されている目安濃度と、生成直後の濃度は同程度
  • ⑲還元水素水生成器TK-HS91
    →表示されている目安濃度と、生成直後の濃度は同程度

しばらく放置した後の水素溶存濃度

容器入りの水素水を一定時間放置した後の水素溶存濃度、および生成器で作り出した水素水を一定時間放置した後の水素溶存濃度についても、それぞれ調査をしました。結果は次の通りです。

容器入りの水素水

開封後、蓋を閉めて5時間放置したところ、水素溶存濃度は30~60%まで低下。24時間放置すると、濃度は10%程度まで低下しました。なお、飲み残す場合には、水素水があふれる寸前まで空気を抜いてしっかり蓋を閉める」との指示表記があった水素水について、指示に従った結果、5時間後には90%、24時間後でも70~90%という高い濃度維持率を確認しました。

生成器による水素水

生成された水素水をコップに移し替えて1時間放置したところ、水素溶存濃度は50~60%程度に低下しました。

水素水の効果効能に関する表示・広告への指摘

上記で紹介した計19銘柄について、国民生活センターが販売元のホームページや直販サイトを確認。その結果、容器入り水素水10銘柄のうち8銘柄、および水素生成器9銘柄のうち7銘柄について、水素または水素水における効能効果に関する記載がありました。

これら記載の中には「水素には悪玉活性酸素を無害化する働きがある」等、健康保持増進効果等と受け取ることのできる文言も確認。国民生活センターは、これら記載について、医薬品医療機器等法、健康増進法、景品表示法に抵触する恐れがあると指摘しています。

国民生活センターから消費者へのアドバイス

今回の調査を踏まえ、国民生活センターは水素水の消費者に対して次の3つのアドバイスを提示しています。

トクホや機能性表示食品として認められた水素水は存在しない

水素水には、公的な定義がありません。よってメーカーにより、水素溶存濃度も様々です。また調査時期において、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品に指定された水素水は、1銘柄もありません。

表示されている水素溶存濃度は、飲用時の濃度と異なる場合がある

容器入り水素水の説明に「充填時水素溶存濃度」「出荷時水素溶存濃度」と表記されている場合、それらの濃度は必ずしも飲用時の濃度と一致するわけではありません。水素生成器においても、必ずしも表示通りの濃度になるとは限りません。

開封後、または生成後、水素分子は時間とともに抜けていく

容器入り水素水は開封後、また、水素水生成器については生成後、溶存する水素は時間とともに徐々に抜けていきます。ただし容器入り水素水については、空気を抜いて蓋をすることにより、濃度の低下をある程度抑えることができます。

国民生活センターの見解に対する太田成男氏の見解

以上の国民生活センターの調査・報道に対し、水素水研究の第一人者で元・日本医科大学教授の太田成男氏は、以下のような見解を公表しています。

太田成男氏の見解(概略)

国民生活センターが報道資料で引用した国立健康・栄養研究所の見解「ヒトを対象とする有用性において信頼できる十分なデータが見当たらない」という点について、水素水への誤解が独り歩きしているようです。この発表だけを見た一般消費者は、「臨床データがない」といった印象を抱く可能性があります。「信頼できない」「データが不十分」というならば、影響力のある公的機関として、「信頼」や「十分」の基準を科学的に示すべきでしょう。 知りうる限りでも、水素水におけるヒトを対象とした臨床データは多数存在します。

  • 運動後の乳酸上昇抑制による筋肉疲労低下(筑波大学)
  • 運動後の筋肉痛の軽減(早稲田大学)
  • 日常的な疲労の軽減(大阪市立大学・理化学研究所)
  • 糖尿病発症前の状態改善(京都府立医科大学)
  • 歯周病改善(岡山大学)
  • 血流依存性血管拡張反応が上昇し動脈硬化抑制を示唆(福岡県原土井病院)
  • コレステロール値の低下(中国・山東大学)

今後も、次から次へと水素水の有用性を示すデータや論文が発表されることでしょう。マスコミ含め、各方面の方々には冷静な判断を求めたいと思います。

【参照】太田成男氏のブログの以下の記事より、「データがある」のに「データがない?」:国民生活センター発表2016.12.15に関連して(その3)「データがある」のに「データがない?」:国民生活センター発表2016.12.15に関連して(その3)より:http://shigeo-ohta.com/topics146/

水素水の効果には根拠があるのか?

水素水は、2015年末にテレビ番組で立て続けに紹介され、その効果が広く知られるようになりました。そして知名度が高まるにつれて、否定的な意見も増えたことから上記で紹介した国民生活センターによる調査が行われました。

実際に粗悪な商品を扱うメーカーもあるため、そういった声を完全に否定することはできません。しかし、水素水自体の効果にはきちんとした裏付けがあるのです。

そもそも水素水が注目を集めたのは、最先端の生物医学を追うジャーナル誌「Nature Medicine」に掲載された学術論文がきっかけです。この論文は2007年に日本医科大の太田成男教授によって発表されたもので、医学的な視点からその効果が実証されています。

論文の内容は、脳梗塞を発症したマウスに水素の気体を吸わせた結果、水素のはたらきによって脳が深刻な障害を負わずにすんだ、というもの。これにより「水素が悪玉活性酸素を無害化する」という効果が広く知られ、その事実を検証するためにさかんに研究が行われるようになりました。

当初からのペースは落ちているようですが、ここ数年も100本近くの論文がコンスタントに発表されています。

ちなみに、研究で明らかにされている水素の主な効果は、抗酸化作用・抗炎症作用・抗アポトーシス(細胞自死)作用の3つ。

酸化・炎症・アポトーシスは、人が患うたくさんの病気の引き金になります。そのため、水素によってこの根本的な原因を取り除くことができれば、さまざまな疾患を克服できるのではないかとされています。

現在行われている水素水の研究は、おもにマウスやラット、細胞を対象にしています。しかし、数は少ないながらも、ヒトを対象にした試験でも一定の効果が認められているようです。

急性心筋梗塞やパーキンソン病、急性脳こうそくなど、確認できるだけでも、名だたる大学で研究準備が進められています。まだ医学的に断言できるレベルではありませんが、しっかりとした根拠を軸に研究がすすめられていることは、間違いないといえるでしょう。

効果なしってホント?水素水の最新研究結果

水素水の研究は現在も積極的に行われています。中でも最新のものをピックアップして紹介します。

分子水素の有益な生物学的効果と基本的作用機作:321の文献の包括的紹介

  • 表題/ Beneficial biological effects and the underlying mechanisms of molecular hydrogen-comprehensive review of 321 original articles-
  • 研究者・著者/ M. Ichihara (名古屋大他)
  • 掲載誌:Med. Gas Res. (2015)5:12;DOI 10.1186/s13618-15-0035-1

2007年以降行われてきた水素分子の治療効果の研究は主に日本や中国・アメリカで行われており、すでに321の論文が発表されています。そのほとんどはマウスやラットによって水素に治療効果があることを示す内容となっていて、臨床試験も年々増えていると言います。

その研究の中で、ヒドロキシラジカルやペルオキシ亜硝酸が減少することが認められていますが、これは単に活性酸素を取り除いたことだけが理由ではないと考えられています。

つまり、水素分子の効果は、活性酸素の除去以外にも病気になる要因を調節する働きがあるのではないかと考えられており、今後の研究によるさらなる水素の効果の解明が期待されているそうです。

水素水は大腸癌に対する5-抗がんフルオロウラシルの作用を増強

  • 表題:Hydrogen-water enhances 5-fluorouracil-induced inhibition of colon cancer(水素水は大腸がんに対する抗がん剤5-フルオロウラシルの作用を増強する)
  • 著者:J. Runtuwene et al(鹿児島大他)
  • 掲載誌:Peer J.3:e859; Doi 16,7717/ Peer J.

水素分子には抗酸化作用や抗炎症作用などの働きがあります。この研究では、特に酸化ストレスと癌との関連について試験を行いました。

それによると、大腸がん細胞に対して水素水と抗がん剤5-フルオロウラシルを試験管内と動物試験で投与した結果、明らかに癌細胞の増殖を抑えて減少させる抗癌作用が認められました。

分子水素は神経性疼痛を軽減

  • 表題:Molecular hydrogen attenuates neuropathic pain in mice(分子水素はマウスの神経障害性疼痛を軽減する)
  • 著者:Masato Kawaguchi et al.(防衛医大、テキサス医学部)
  • 掲載誌:PLOS one 2014 ; 9(6) : e100352

過剰な酸化ストレスによる神経障害性疼痛に対し、水素豊富水を引用することで痛みを軽減できるかをマウスによって観察した研究です。

一般的に見られる濃度の水素水を自由に摂取した結果、機械的な痛みや熱に対する過敏症が軽減したとされています。水素水を摂取する時期によって症状の改善効果は異なるものの、免疫組織学的にも酸化ストレスが減少することがわかり、結果として神経障害性疼痛に有用であるとわかりました。

その他にもさまざまな研究結果が報告されています。

  • マウスのアトピー性皮膚炎の改善効果
  • パーキンソン病に対するパイロット試験による成果
  • 傷害を受けたヒト精子の運動性の向上
  • 白金ナノコロイドとの併用により相乗的な活性酸素除去作用と血液の流動性の改善
  • 一酸化炭素中毒ラットの急性脳障害の軽減
  • マウスの神経性疼痛の軽減

しかし水素水の効果は感じづらい

水素水の効果は確かなものがありそうですが、じっさい飲んでいる人の口コミを見てみると、あまり変化が見られなった、というものも見受けられます。

飲んでいる水素水の質にもよりますが、そもそも水素水の主な効果とされる抗酸化作用は、なかなか実感できる形では現れてきません。

抗酸化作用とは、身体の中の活性酸素を取り除くというはたらきです。活性酸素は、どこかに偏って存在するわけではなく、身体全体に散っています。全身の細胞に少しずつ負担をかけて、健康を蝕んでいくわけです。

そのため、どこかの活性酸素を少し除去したからといって、劇的に何か変化がある、ということにはなりません。

水素水の効果を実感するためには、数カ月単位の長い期間、飲み続ける必要があります。具体的にどのくらい、と断言はできませんが、全身の細胞が入れ替わるくらい続けなければ、自覚できる効果は得られないでしょう。

水素水の効果は、少しずつ現れてきます。最初はそれとは気づかないかもしれませんが、飲み続けていくことで、いずれはその恩恵を受けられるはずです。